H-RISE 公益財団法人北海道科学技術総合振興センター 幌延地圏環境研究所

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研究紹介地下微生物環境研究グループ
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新種メタン菌Methanoculleus horonobensis発表 (2013年)

2013.11.03

概要

 幌延珪藻岩の地層(稚内層:珪質頁岩)に棲息している最もメジャーなメタン生成微生物を捕獲に成功して新種論文として発表しました。種名にはこの微生物が捕獲された地名(幌延:ホロノベ)に因んでhoronobensis(ホロノベンシス)と命名しました。なお、培養方法に少し工夫を加えて培養効率を数倍に上げたところもこの論文の読みどころの一つです。メタン菌の生育が悪くて困っている方には参考になるかもしれません。

国際学術誌に発表した論文

Shimizu S, Ueno A, Tamamura S, Naganuma T, Kaneko K (2013) Methanoculleus horonobensis sp. nov., a methanogenic archaeon isolated from a deep diatomaceous shale formation. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology: 63: 4320–4323 (Cover photo:表紙採用)

この微生物の特徴

この微生物の特徴は以下のとおりです。
1. 単離源:地下374mの地下水(HDB-6孔)
2. ドイツおよび日本のカルチャーコレクションに寄託・公開
3. 生理学的特徴:水素/CO2およびギ酸からメタンをつくる
4. 珪藻質岩層(稚内層)で一番主要な遺伝子タイプとの一致率は99.9%

注目すべき点

この論文のすごいところは、前回新種発表したMethanosarcina horonobensisと同様になんといっても珪藻岩の地層中の微生物遺伝子ライブラリーで最も(今度は1番)主要な微生物を生け捕りに出来た点です。前回も書きましたが、環境中で培養できる微生物は1%未満であるといわれており、だからこそ、培養を介さない方法、すなわち遺伝子を直接調べる方法で、その環境にどんな微生物が存在しているのかを明らかにしています。しかし、その環境中の微生物の種組成を明らかにしたところで、お目当ての微生物を生け捕りすることはほとんど奇跡でも起きない限り無理といわれているくらい難しいのです。わたし達は、幸運にもお目当ての微生物をゲットできました。

国際学術誌の表紙写真に採用されました

さらに!幸運はつづきました。なんと、この微生物の写真が国際学術誌であるInternational Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology誌の表紙に採用されたのです。

今後の展望

せっかく、手に入れた貴重な微生物ですので、これから地下のメタン生成プロセス解明に大いに役立てていきたいと思います。