H-RISE 公益財団法人北海道科学技術総合振興センター 幌延地圏環境研究所

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研究紹介地下微生物環境研究グループ
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幌延の珪藻岩に分布するメタン生成微生物群の解明(2006 年)

2006.03.01

はじめに

わたし達のメイン研究フィールドである北海道北部の幌延地域には,新第三紀中新世〜鮮新世の堆積岩である珪藻質泥岩(声問層)および珪質頁岩(稚内層)が広く分布しており、地層水にはメタンガスが溶存限界まで溶けています。しかし、この地域の地下には、どのような微生物が存在していて何をしているのかわかっていませんでした。

明らかになったこと

そこで、私たちは、手始めに幌延地域の地下の珪藻岩の地層中(稚内層:珪質頁岩層)に分布する地下微生物の種組成を明らかにしました。その結果、メタンをつくる微生物がとても多く分布していること、ほぼ単一の系統のメタン生成微生物が優占していることなどがわかりました。また、そのメタン生成微生物は、二酸化炭素と水素からメタンをつくるグループに属することがわかりました。他にも、調査地点によっては、酢酸やメチル化合物などからメタンを作るタイプも含まれていることがわかりました。さらに断層を境にして、種組成が大きく異なる傾向があることを示唆するデータも得られました。

国際学術誌への論文発表

これらの結果は論文として下記の国際的な学術誌に発表しましたので、詳細を知りたい方は是非、論文を読んでみて下さい。

Shimizu S, Akiyama M, Ishijima Y, Hama K, Kunimaru T, Naganuma T (2006) Molecular characterization of microbial communities in fault-bordered aquifers in the Miocene formation of northernmost Japan. Geobiology 4 : 203-213.

今後の展望

 以上の結果は、深部地下水試料中の微生物遺伝子を直接調べたにすぎません。そのため、上記微生物が存在することは証明できましたが、どのような活性を持っているかどうかは証明できていません。そこで、幌延地域深部地下環境におけるメタン生成プロセスを明らかにするための次なるステップとして、わたし達は今回の調査で明らかになった主要な微生物(主にメタン菌)を生け捕りにして性質を明らかにすることを目指すことにしました。その後、幸運にもこれに対しても成功を収めることができました。現在は、珪藻岩の地層におけるメタン生成プロセスを解明することにより、珪藻岩帯における地下微生物を活用したメタンガス鉱床開発のための知見を得ることを目指して研究を進めています。