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【連載】地下微生物・第7話【生物顕微鏡による微生物細胞計数プロトコル】

2014.05.06
アクリジンオレンジ染色(通常のオレンジ染色バーション)
アクリジンオレンジ染色(見やすいグリーン染色バーション)
アクリジンオレンジ染色(岩石中の微生物:グリーン染色バーション)

はじめに
地下微生物を観察・計数するための実験系をご紹介したいと思います。


わたし達が使っている方法について

この方法につきましてはJAMSTECさんなどが最も先進的な方法を用いております。一方、私達の研究グループでは伝統的な方法ではありますが、経済的かつ迅速に測定できる手法を用いています。

そのため、これからご紹介する方法はいくつかの和書にもプロトコルが紹介されておりますので、わざわざ紹介する必要もないかもしれません。しかし、スマートフォンが普及した現在ではインターネット上に情報を残しておけば、書籍が手元になくても迅速にアクセスできる点で研究者の方々のお役に立てることができるかもしれません。

前置きが随分と長くなってしまいましたが、ご興味のある方はわたし達の実験方法をダウロードして下さい。


プロトコルの内容

今回、ご紹介するプロトコルは以下の5種類です。全菌数の測定(DAPI法, Acridine Orange法, SYBR Green I法)、生菌数の測定Live/Dead BacLight Viability Kit法)、生菌数(活性)の測定(Fluorescein diacetate法)

この中で最も感度良く細胞を観察・計数できるのはSYBR Greenを用いた方法ですが、こちらは試薬が高価であることと染色に時間がかかる点で多検体の測定には不向きです。


ちょっとしたコツ

わたし達は日常的使っている方法はAcridine Orange法で経済的かつ迅速な染色が可能です。プロトコルではフィルターを半乾燥状態でプレパラートを作成し細胞を黄緑色に染色した状態で計数するように書かれていますが、別にオレンジ色になってしまっても観察や計数に影響はありませんことを追記しておきます。緑色にこだわる場合は、フィルターの乾燥状態の他、アクリジンオレンジの濃度を少し薄めに調製するのがコツです。緑色に染色するメリットはバックグラウンドにオレンジ色の蛍光を発する夾雑物が多い試料での細胞計数が圧倒的に楽になるということでしょうか。目が疲れないのです。

*もしプロトコルについてお気づきの点がございましたら是非ご連絡下さい。改良したものを再配布させていただきます。

「落射型蛍光顕微鏡による微生物細胞計数プロトコル・実験方法」はこちらからどうぞ